義理の妹に計画的にハメられたけれど、大好きな幼馴染だけは渡しません!
他のみんなは何の問題もなく過ごしている。
問題があるのは花子じゃなくて、自分の方なのかもしれない。

「じゃあ、いなくなってよ」
ふと顔をあげるとそこには花子が立っていた。

花子はジッと絵美を睨みつけている。
「花子ちゃん……」

咄嗟に後ずさりをしていた。
花子の視線に体が貫かれそうな気配がある。

後ろは階段になっているとわかっていても、足を止めることができなかった。
「なにもかも持ってて、絵美お姉ちゃんは卑怯なんだよ」

「え?」
「私はなにも持ってない! なにも……!!」

花子の声に驚いて足を踏み外した。
後方へと落下していく瞬間に、花子が泣いているように見えた。
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