義理の妹に計画的にハメられたけれど、大好きな幼馴染だけは渡しません！

だけど声をかけることはできない。
絵美の体は重力に逆らうことができずに歩道橋の上から落ちていく。

手を伸ばしてもなにも掴まず、ただ泣いている花子の顔が見えるばかりだ。
「絵美！！」

声が聞こえてきた次の瞬間、花子の体が押しのけられていた。
そして手が伸ばされ、力強く抱き寄せられる。

間一髪のところで絵美は健太に助けられていたのだ。
「なに、してんだよ！！」

健太の両腕に包み込まれながら怒鳴り声を聞いて我にかえった。
「ご、ごめんなさい。私」

「お前、絵美を殺す気だったのか！！」
その言葉に顔を向けると健太は花子を睨みつけていた。

花子はたじろぎ、後退りをする。
「全部見てたぞ。お前が絵美を突き落とそうとした」

「そ、そんなことしてない！！」
花子は慌ててブンブンと左右に首を振る。