義理の妹に計画的にハメられたけれど、大好きな幼馴染だけは渡しません!
ハッとして宿題から顔をあげる。
「来たかもしれないわよ」

お母さんに言われて絵美は大きく頷き、後に続いて玄関へ向かった。
心臓がドキドキしている。

すごく緊張しているけれど、その倍くらい楽しみにしている。
「はい」

お母さんが玄関を開けると何度も合ったことのある背の高い男性と、その人に隠れるようにして立つ女の子が見えた。
「花子ちゃん!」

名前を呼ぶと花子ちゃんはようやく安心した表情になって前に出てきた。
「ほら花子、挨拶は?」

「よろしくね」
お父さんにうながされておずおずと挨拶をする。

「挨拶なんっていいのに。ね、こっち来て一緒に遊ぼう!」
知らない仲じゃないのだ。

絵美は花子の手を握ってリビングへと向かった。
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