モブ令嬢へのジョブチェンジは失敗しました
記憶が消えたのでノーカン
5
目が覚めると、ランスロットが極上の笑みを浮かべて私の顔を覗き込んでいた。
アッチもコッチも解消して大満足といった様子なのがよくわかる。
急に腹が立ってきた。
「イザベラ?」
頬を撫でられて、私はその手を思い切り振り払う。
「こんっの、馬鹿!!最低!」
最低だ。最悪だ。そもそも、処女じゃなくなっていた事もそうだが、記憶にある「初体験」がこんなのはあまりにも酷すぎる。
「でもよかったでしょう?」
ランスロットは、私がほぼヨガリ声を上げて悦んでいたのを引き合いに出してきた。
そうじゃない。違うんだよ。
「嫌だ!本当に最低!最悪!」
「ひどくない?」
ランスロットからは不穏な空気が漂っているが気にしない。
「私のヴァージン返してよ!ヴァージンやり直しさせてよ!」
「無理だって!」
無茶苦茶な駄々にランスロットも軽く慌てている。
「ヤダ!本当に最悪、知らない間に初体験してた上にこんなエッチなんて!」
「……酷くない?」
酷い事を言っているのかもしれないが、そう言わせる事をしたのはランスロットだ。
「ドロドロに甘やかして、優しくして欲しかったのに!酷い!酷い!返してよ!ヴァージン!また最初からランスロットとやり直しするの!初めての記憶がないとか悲しすぎる!最低だよ!」
オイオイと私が泣きじゃくると、ランスロットは、頭を掻いていた。
きっと、面倒だと思ったのだろう。
「それは、ごめん。ちゃんと処女膜は再生させるから」
「そうじゃないのよ!違うの!最低、大嫌い!」
処女膜を再生させた所で、した記憶は残っているし何の意味もない。
私は怒りながら、何が許せないのかはっきりとわかった気がする。
憎からずランスロットを思っているのに、破瓜の悦びを知る初体験の機会を奪われた挙句、……後半は合意の上で……とんでもない経験をしてしまった事に腹を立てているのだ。
つまり、自分もランスロットの事が好きなわけで、足並み揃えたぎこちなく初々しいセックスがしたかったのだ。
こんなのが初めてとか絶対に嫌だ!
「ごめんね。イザベラ……」
ランスロットは、ようやく反省したのか申し訳なさそうな顔をして謝る。
……謝ったところで何も変わらないのだけど。
少しは自分のしでかした事を悔いて欲しかった。
「本当にごめんね……、でも、君が好きなんだよ」
ランスロットは、私の唇を塞いだ。
「んっ」
口付けをされて、頭がぼんやりとする。
意識が混濁していくようなそんな感覚だ。
疲れてるのかな、すごく眠たい。
私の瞼がゆっくりと閉じていく。
「忘れたらノーカンになるかな?」
ランスロットが何か言っているけれど聞こえなかった。
頭がぼんやりとする。瞼が重たくて、私は目をこすりながら身じろぎする。
すると、大きな腕が背後から伸びてきて私の身体を包み込んだ。
「んっ、ランスロット?」
「イザベラ起きた?」
少し低く艶のある声に、ゾクゾクする。
疼くように下腹部が重たくなって、先程ランスロットによって甘く虐められた事を思い出す。
「……うん」
まだ、熱は完全に冷めておらず。私の中に籠り出す。
「ごめんね。あんな事しちゃって」
あんな事。
聖女が私にくれたポーションが、媚薬と間違えられていてランスロットに熱を冷まして貰ったことだろうか。
ランスロットが言うには、何度も絶頂を迎えてその上で精液を子宮に注ぎ込まれないと治らないらしく。
口やら手やらを使われて何度もイカされて、トドメにランスロットの精子のついた指を中に入れてもらい昂りを抑えて貰ったのだ。
「……大丈夫」
所謂、ペッティングの状態だったが凄く気持ちよかった。
「よかった。妊娠しないように洗浄魔法かけといたから」
「ありがとう」
処女のまま妊娠したら大変だ。ランスロットの気遣いに感謝だ。
「イザベラ、愛してるよ。こんな形になってしまったけど、結婚して欲しい」
ランスロットに触られながら、何度も愛を囁かれたが、私は聖女の存在を知っていたので信じてはいなかった。
「私でいいの?」
「うん、イザベラじゃないとダメだ」
「嬉しい」
私がいい。と、はっきりと言ってくれたランスロット。それが嬉しくて視界が滲んできた。
考えてみれば、たぶん、ずっとランスロットの事を好きだったんだと思う。
そう思うと、また、身体がカッと火が灯ったように熱くなった。
「……あの、ランスロット。その」
ランスロットの名前を呼んで、すぐにためらう。
おねだりしているようで、なんだか恥ずかしい。
「何?」
「さっきしてくれたの」
「うん」
「気持ちよかった。だから、その、初めてがすごく楽しみで……」
言いながら恥ずかしくなってくる。
「もう一回して欲しい?」
「……う、うん」
クスリと笑うランスロットに、顔が熱くなる。
羞恥よりも欲求の方が強く、コクコクと何度も頷いてしまう。
「いいよ。初めては、ベルベットのキングサイズのベッドにバラの花びらを敷き詰めて、ドロドロのぐちゃぐちゃに甘やかして、一晩中優しく抱いてあげるよ」
「うん、待ってる」
何だかどこかで聞いた事のあるセリフに違和感を覚えつつも、私は微笑んだ。
目が覚めると、ランスロットが極上の笑みを浮かべて私の顔を覗き込んでいた。
アッチもコッチも解消して大満足といった様子なのがよくわかる。
急に腹が立ってきた。
「イザベラ?」
頬を撫でられて、私はその手を思い切り振り払う。
「こんっの、馬鹿!!最低!」
最低だ。最悪だ。そもそも、処女じゃなくなっていた事もそうだが、記憶にある「初体験」がこんなのはあまりにも酷すぎる。
「でもよかったでしょう?」
ランスロットは、私がほぼヨガリ声を上げて悦んでいたのを引き合いに出してきた。
そうじゃない。違うんだよ。
「嫌だ!本当に最低!最悪!」
「ひどくない?」
ランスロットからは不穏な空気が漂っているが気にしない。
「私のヴァージン返してよ!ヴァージンやり直しさせてよ!」
「無理だって!」
無茶苦茶な駄々にランスロットも軽く慌てている。
「ヤダ!本当に最悪、知らない間に初体験してた上にこんなエッチなんて!」
「……酷くない?」
酷い事を言っているのかもしれないが、そう言わせる事をしたのはランスロットだ。
「ドロドロに甘やかして、優しくして欲しかったのに!酷い!酷い!返してよ!ヴァージン!また最初からランスロットとやり直しするの!初めての記憶がないとか悲しすぎる!最低だよ!」
オイオイと私が泣きじゃくると、ランスロットは、頭を掻いていた。
きっと、面倒だと思ったのだろう。
「それは、ごめん。ちゃんと処女膜は再生させるから」
「そうじゃないのよ!違うの!最低、大嫌い!」
処女膜を再生させた所で、した記憶は残っているし何の意味もない。
私は怒りながら、何が許せないのかはっきりとわかった気がする。
憎からずランスロットを思っているのに、破瓜の悦びを知る初体験の機会を奪われた挙句、……後半は合意の上で……とんでもない経験をしてしまった事に腹を立てているのだ。
つまり、自分もランスロットの事が好きなわけで、足並み揃えたぎこちなく初々しいセックスがしたかったのだ。
こんなのが初めてとか絶対に嫌だ!
「ごめんね。イザベラ……」
ランスロットは、ようやく反省したのか申し訳なさそうな顔をして謝る。
……謝ったところで何も変わらないのだけど。
少しは自分のしでかした事を悔いて欲しかった。
「本当にごめんね……、でも、君が好きなんだよ」
ランスロットは、私の唇を塞いだ。
「んっ」
口付けをされて、頭がぼんやりとする。
意識が混濁していくようなそんな感覚だ。
疲れてるのかな、すごく眠たい。
私の瞼がゆっくりと閉じていく。
「忘れたらノーカンになるかな?」
ランスロットが何か言っているけれど聞こえなかった。
頭がぼんやりとする。瞼が重たくて、私は目をこすりながら身じろぎする。
すると、大きな腕が背後から伸びてきて私の身体を包み込んだ。
「んっ、ランスロット?」
「イザベラ起きた?」
少し低く艶のある声に、ゾクゾクする。
疼くように下腹部が重たくなって、先程ランスロットによって甘く虐められた事を思い出す。
「……うん」
まだ、熱は完全に冷めておらず。私の中に籠り出す。
「ごめんね。あんな事しちゃって」
あんな事。
聖女が私にくれたポーションが、媚薬と間違えられていてランスロットに熱を冷まして貰ったことだろうか。
ランスロットが言うには、何度も絶頂を迎えてその上で精液を子宮に注ぎ込まれないと治らないらしく。
口やら手やらを使われて何度もイカされて、トドメにランスロットの精子のついた指を中に入れてもらい昂りを抑えて貰ったのだ。
「……大丈夫」
所謂、ペッティングの状態だったが凄く気持ちよかった。
「よかった。妊娠しないように洗浄魔法かけといたから」
「ありがとう」
処女のまま妊娠したら大変だ。ランスロットの気遣いに感謝だ。
「イザベラ、愛してるよ。こんな形になってしまったけど、結婚して欲しい」
ランスロットに触られながら、何度も愛を囁かれたが、私は聖女の存在を知っていたので信じてはいなかった。
「私でいいの?」
「うん、イザベラじゃないとダメだ」
「嬉しい」
私がいい。と、はっきりと言ってくれたランスロット。それが嬉しくて視界が滲んできた。
考えてみれば、たぶん、ずっとランスロットの事を好きだったんだと思う。
そう思うと、また、身体がカッと火が灯ったように熱くなった。
「……あの、ランスロット。その」
ランスロットの名前を呼んで、すぐにためらう。
おねだりしているようで、なんだか恥ずかしい。
「何?」
「さっきしてくれたの」
「うん」
「気持ちよかった。だから、その、初めてがすごく楽しみで……」
言いながら恥ずかしくなってくる。
「もう一回して欲しい?」
「……う、うん」
クスリと笑うランスロットに、顔が熱くなる。
羞恥よりも欲求の方が強く、コクコクと何度も頷いてしまう。
「いいよ。初めては、ベルベットのキングサイズのベッドにバラの花びらを敷き詰めて、ドロドロのぐちゃぐちゃに甘やかして、一晩中優しく抱いてあげるよ」
「うん、待ってる」
何だかどこかで聞いた事のあるセリフに違和感を覚えつつも、私は微笑んだ。