思わせ振りな君と私


かと思ったら両手が誰かの手に包まれた


指と指が絡まって 
 

ぎゅっと力が籠る


懐かしい。


温かい 




「…触んないでよ」

いつもより少し低かったけど、誰の声かは見なくても分かった。

「依舞…?」


「立って」


「え?」
 
「早く」  


「はいっ、」
威圧的な声に私は逆らえなかった。



依舞に引き寄せられ全身が温かくなった


このまま私は依舞の席に連れてかれた


ごめん志馬くん
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