花束になりたい

私は頑張らずにはいられない。






「まず、ダイエットかなぁ」



家に帰って、全身鏡に映る自分を見ながら呟く。

今までダイエットなんて、したことがない。

そばに置いていたスマートフォンで、《ダイエット 初心者》などで検索をしてみる。

簡単なストレッチを紹介してくれる動画をたくさん見たり。

世の中には無酸素運動と有酸素運動が存在することを知ったり。



スマートフォンから色んな知識がどっと波のように押し寄せて、気持ちが折れそうになる。






「結局、どうすればダイエットが成功するのかわからないなぁ」



登校中、ため息混じりに呟いたら、
「ダイエットすんの?」
と、背後から突然、返事が返ってきた。

振り返ると大友くんだった。



「え、あ、おは、おはよう」
と、私はしどろもどろになりながら、赤い顔になったのを悟られないようにした。



「あんまり無茶なダイエットはやめとけよ」

「え?」

「約束だからな」

「え、あ、はい……」

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