知人の紹介で
和巳の腕の中に収まり、大人しく寄り添っていれば、和巳が優しく髪を梳いてくれる。それがとても気持ちよくて、千景は本当は言うつもりじゃなかったのに、うっかり気になっていたことを和巳に問いかけてしまった
「なんで私なんて捕まえたの? 散々私のこと悪く言ってたくせに。あなたならもっといい人選べるじゃない」
「俺は、猫なで声ですり寄ってくる女よりも、初対面で暴言吐いてくる女のほうが面白くて好きだからな」
「もうあのときのことは言わないでよ……勘違いだったんだから……」
「ふっ、わかったよ。突っ走るお前はかわいいが、お前の身に何かあったらと思うと気が気じゃない。頼むから変に暴走だけはするなよ? 何かあれば俺を呼べ。いいな?」
「……わかってる」
なんだか話が逸れて、結局なんで千景を望んでくれたのかは教えてくれないのかと残念に思っていたら、意外にも和巳はその心を打ち明けてくれた。
「最初は品のない女だなと思っていたんだけどな。でも、お前がその感情を暴走させるのはいつだって誰かのためだったから、こういう人間のそばは居心地がいいのかもしれないと思うようになった。誰かのためになりふり構わず行動できるお前だから好きになったんだよ」
「……そうなんだ。ありがとう」
「そうやって急に大人しくなるところもいいけどな」
「……もう」
和巳はおかしそうに体を軽く震わせながら笑っている。きっと千景が何か言ってもまたからかわれるだけだから、千景はもう何も言わずに和巳が与えてくれるぬくもりをただただ感じていた。
「なんで私なんて捕まえたの? 散々私のこと悪く言ってたくせに。あなたならもっといい人選べるじゃない」
「俺は、猫なで声ですり寄ってくる女よりも、初対面で暴言吐いてくる女のほうが面白くて好きだからな」
「もうあのときのことは言わないでよ……勘違いだったんだから……」
「ふっ、わかったよ。突っ走るお前はかわいいが、お前の身に何かあったらと思うと気が気じゃない。頼むから変に暴走だけはするなよ? 何かあれば俺を呼べ。いいな?」
「……わかってる」
なんだか話が逸れて、結局なんで千景を望んでくれたのかは教えてくれないのかと残念に思っていたら、意外にも和巳はその心を打ち明けてくれた。
「最初は品のない女だなと思っていたんだけどな。でも、お前がその感情を暴走させるのはいつだって誰かのためだったから、こういう人間のそばは居心地がいいのかもしれないと思うようになった。誰かのためになりふり構わず行動できるお前だから好きになったんだよ」
「……そうなんだ。ありがとう」
「そうやって急に大人しくなるところもいいけどな」
「……もう」
和巳はおかしそうに体を軽く震わせながら笑っている。きっと千景が何か言ってもまたからかわれるだけだから、千景はもう何も言わずに和巳が与えてくれるぬくもりをただただ感じていた。