知人の紹介で
　優作はとにかくショックだった。こんないかにも大人しそうな見た目の女の子がそんなことをしていることもショックだし、自分がそういう対象に見られたこともショックだった。

　すぐには反応できなくて、しばらくはその子をただただ凝視していたが、スマホがタイミングよく振動したことで優作は我に返った。スマホを見てみれば、待ち合わせしている友人から店に着いたとのメッセージを受信している。優作は、こんなところで道草を食っている場合ではないと、落としてしまった荷物を拾い、目の前の彼女にはっきりと断りの言葉を告げた。

「……悪いけど興味ないから。あと、そういうことはやめたほうがいい。危険な目に合う可能性もあるんだから。じゃあ」

　優作はそれだけ言ってすぐにその場を離れた。

　自分から声をかけた割には、びくびくと怯えていた印象だったのが気になったが、通りすがりの子を気にしてもしかたないだろうと優作は頭の中からその子を追い出した。


　懐かしい友人に会えば、自然とその出来事は頭から抜け、久しぶりの友人との会話を楽しんだ。

　けれど、友人と別れ、自宅に帰りつくと、また声をかけてきた子のことが思いだされ、この日、優作はすぐに寝つけなかった。
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