知人の紹介で
　それからすぐに優作は陽菜の両親と顔を合わせる場を設けてもらった。陽菜と付き合うなら、彼女の両親の許可ももらってからでないとダメだと思っている。両親公認でなければ先へは進めない。

「お父様、お母様。私は陽菜さんを愛してしまいました。どうか陽菜さんとの交際を認めていただけないでしょうか。年の離れた自分との交際は複雑に思われることと思います。ですが、決して陽菜さんが悲しい思いをするようなことにはいたしません。陽菜さんとは結婚を前提にお付き合いし、結婚までは清い交際をすると誓います。どうかお許しいただけないでしょうか」

　一世一代のその交際の申し込みに陽菜の両親はなかなか反応してくれなかった。優作が頭を下げて、しばらくの間その場は静寂に包まれていた。それでも何か言われるまでは頭を上げるわけにはいかないとその格好を保っていたら、一番最初に声を上げたのは陽菜だった。

「えっと、お父さん？　お母さん？」
「あ！　ごめんなさい。お父さん！　早く答えてあげないと」
「あ、あー、そうか。すまん。あまりに驚きすぎて固まってしまった」

　驚くのも無理はない。自分の娘がこんな年上の男を交際相手として連れてくるなんて驚かないわけないだろう。しかも、その相手は娘がそういう声かけをした相手なのだから。

「あの、顔を上げてください。顔を見てお話しましょう」

　陽菜の父のその言葉に優作はようやく顔を上げて、陽菜の父の顔を見据えた。
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