知人の紹介で
＊＊＊

「衣月さん。本当に今日からでいいんだよね？」
「うん。もう踏むべき工程は全部済んだから」
「そうだね。じゃあ、よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」

　二人してお辞儀し合う。事前に二人で予習したことを確かめ合いながら、二人は初めてのその行為に及んだ。たくさんの知識は頭に詰め込んでいたけれど、やはり実体験となると簡単にはいかないものらしい。結婚式の疲れもあったから、最後はくたくたになって二人してベッドに倒れ込んでいた。

「ごめん、志信くん。赤ちゃんが通る場所なわけだし、大丈夫だと思ってたんだけど、想像よりもずっと痛くて」
「ううん。僕こそごめん。上手く快感を引きだしてあげられなかったから。これも口づけのときみたいに少しずつ慣らしていこう？」
「うん。ありがとう、志信くん。最後まではできなかったけど、志信くんとたくさん触れ合えて、すごく嬉しかったよ」
「僕も。ものすごく嬉しかった。また明日以降もたくさん触れ合いたい」
「そうだね。私もたくさん触れ合いたい」
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