知人の紹介で
そんな初夜から半年後。
「志信くん」
「ただいま、衣月さん」
「志信くん」
志信にきゅっと抱きつく。
「衣月さん、どうしたの?」
「とんでもない確率を引き当てたかもしれない」
「え? どんな確率?」
「うーん、ちゃんと調べたわけではないから、実際の値はわからないんだけど、たぶんすごい確率の事象を引き当てたと思う」
「何を引き当てたの?」
「私、妊娠してるんだって」
「……え!? でも、まだ一回だけしか」
「うん。その一回で引き当てたみたい」
「……確かにそれはすごい確率かもしれない」
「うん。でも、それがすごいっていうことよりも、私、今、泣きそうなくらいに嬉しいの。志信くんとの子供がいるんだって。ここに。志信くんが帰ってくるまでずっと我慢してたの。喜びを分かち合いたくて。でも、もう止まらない」
「衣月さんっ。ごめん、僕にも移ったみたい。確かに涙が出るくらい嬉しいね。ありがとう、衣月さん。ありがとう」
ボロボロと涙をこぼしながら、二人はその喜びを分かち合った。
喜びというものには際限がないのだと衣月はその身をもって味わった。そして、衣月はその人生を通して、それを幾度も味わい続けていく。大好きなこの人と共に。
~完~
「志信くん」
「ただいま、衣月さん」
「志信くん」
志信にきゅっと抱きつく。
「衣月さん、どうしたの?」
「とんでもない確率を引き当てたかもしれない」
「え? どんな確率?」
「うーん、ちゃんと調べたわけではないから、実際の値はわからないんだけど、たぶんすごい確率の事象を引き当てたと思う」
「何を引き当てたの?」
「私、妊娠してるんだって」
「……え!? でも、まだ一回だけしか」
「うん。その一回で引き当てたみたい」
「……確かにそれはすごい確率かもしれない」
「うん。でも、それがすごいっていうことよりも、私、今、泣きそうなくらいに嬉しいの。志信くんとの子供がいるんだって。ここに。志信くんが帰ってくるまでずっと我慢してたの。喜びを分かち合いたくて。でも、もう止まらない」
「衣月さんっ。ごめん、僕にも移ったみたい。確かに涙が出るくらい嬉しいね。ありがとう、衣月さん。ありがとう」
ボロボロと涙をこぼしながら、二人はその喜びを分かち合った。
喜びというものには際限がないのだと衣月はその身をもって味わった。そして、衣月はその人生を通して、それを幾度も味わい続けていく。大好きなこの人と共に。
~完~