全部全部、こんなはずじゃなかったのに。
女子の世界は本当に厳しい世界だ。

蓮と話すことをよく思っていない女子の方が圧倒的に多かった。

それは、きっと単純な理由。

蓮は、とても顔がいい。

ほかの女子が私を妬むのはそれが理由だと、ある日、まだ仲が良かった佳奈が昼休み言っていた。

「ね、美波(みなみ)〜」

何だかいつもの佳奈と違う気がした。

「ん?どうした??」

「美波って、五十嵐くんと仲良いじゃん」

「…うん」

私はなんだその話かと思った。次に言われる言葉も予想できて、次の瞬間、嫌な予感がしっかり当たることになる。

「だから、いろんな女子たちが悪口言っ
 てるよ?」

ほらやっぱり。

「だから、距離を考えた方がいいと思う」

きっぱり言われちゃったね。
だから、女子という生き物は嫌いだと我ながら思う。
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