全部全部、こんなはずじゃなかったのに。
昼休み終わり、恐らく図書室に行っていた蓮は、私が昼休み何があったか知るはずもなく、いつものように話しかけてきた。

「佐藤〜さん!次の授業って何だっけ?」
やっぱり蓮の無邪気な笑顔は可愛い。

「数学だよー」
いつもより冷たくなってしまった。

「数学か〜寝るかも。ありがとう!」
と笑いながら、男子の集団に駆けていった。

私は本当にモヤモヤした。
蓮は何も悪くないのに。
蓮ともっと何気ない会話でもいいから話をしたいのに。

でもきっと、これ以上蓮と関わると佳奈が怒ってしまうかもしれない。

だから、私は蓮を避けるようになった。
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