思春期の青へ
拝啓
今日から中学生になる。

中学受験の際、同じ小学校の子があまり行かないところを選んだから、友達が出来るか不安だ。

どんな人に出会うのか、ワクワクとドキドキを抱えて私────椎名綾乃(しいな あやの)────は学校へと向かった。






私が学校に着いたころにはクラス表の前に人だかりができていた。

背が高い人が多く、クラス表が全く見えない状態だ。

まだ成長期を迎えていない私としては非常にうらやましい。


「人多っっ!見た人はとっととどっかいってよー」


不満そうな声をあげたのは同じ小学校出身の親友、藤沢(ふじさわ)まゆかだった。

苦笑いを浮かべながら私もまゆかに同調する。


「これじゃあ遅刻するかもね」
「ホントホントー!」


文句言いながら人をかき分けていくと、クラス表の前までやっとたどり着いた。


「私1組だ。まゆかは?」


そう言うとまゆかは青ざめて私を見てくる。


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