思春期の青へ
「別に仲良くないよ!?ただの腐れ縁の幼なじみってだけだから!」
「そーなの?」


意外!とでも言いたげな顔で村野さんが見てくる。

こういう反応をされることはよくあることだが、未だに慣れない。


(圭とのこと言われるの苦手なんだよなぁ)


昔は何ともなかったが、学年があがるにつれ私達の関係性をいじられることが増えていった。

付き合っているのではないか、両思いなんじゃないか、と。

そう言われる度に否定してきたが、それでも食い下がってくる人がいるので厄介だ。

さらに追求されないように、逆に村野さんに質問をし返した。


「そーゆう村野さんはどうなの?好きな人とかいないの?」
「!」


村野さんの顔が赤くなる。


(この反応!好きな人いるんだ!)


「え、誰?私の知ってる人?」


村野さんは俯いたあとボソッと呟いた。

それが聞き取れなくて「ん?」と聞き返す。


「宮下・・・くん」
「え、宮下くん!?」


驚きすぎて大きな声が出る。

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