思春期の青へ
美海ちゃんと私が隣に座り、杏菜ちゃんは美海ちゃんの正面に座った。


「そういえば杏菜は宮下くんと話せたの?」


(え?)


美海ちゃんの発言に驚いて、カレーをすくう手が止まった。


「んー、まぁまぁかな。緊張しすぎて噛みそうになるし、顔が赤くなって意識してるのバレたら嫌だからねー」
「あー分かるかも」


(杏菜ちゃん、宮下くんが好きってこと、美海ちゃんに話したんだ)


さっき話が盛り上がっていたのはこれが理由だったのか。

それに今「杏菜」と呼び捨てにした。

私のことはちゃん付けのままなのに。


(っていうか、話に入っていけない)


私が混乱しているのをよそに、2人でポンポンと会話が進んでいく。


「美海も好きな人いるもんね」
「まぁね」


心臓が嫌なはね方をした。


(うそ・・・。美海ちゃん好きな人いたんだ。全然知らなかった。なのに、何で杏菜ちゃんが知ってるんだろ?)


きっとさっき杏菜ちゃんと恋バナになったから、流れで話しただけだ。

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