思春期の青へ
私とはそういう会話になったことがないから、言ってなかっただけ。

わざと私に内緒にしてたんじゃなくて、タイミングがなかっただけ。

深い意味なんて何もない。

ほんとに、たまたま。

分かってるはずなのに、なんでこんなに孤独感に襲われるのだろう。

カレーを食べるたった15分が、まるで永遠に続くかのように感じた。






それからオリエンテーリングに移っても、野外炊事のことを気にして、杏菜ちゃんと何となく喋りにくかった。

私よりも美海ちゃんと話したがっているように見えたからだ。

勘違いだろうけど、美海ちゃんと話すときとテンションが違うような気がする。

ここに美海ちゃんがいるわけでもないのに、そんなことが頭をよぎる。

私と無理に話そうとしなくてもいいんだよ、なんて冷たいことを思ってしまう。

そのせいで圭と話すことの方が多かったのかもしれない。





オリエンテーションは先生がランダムに配った地図に書かれてあるスポットを巡り、謎を解きながらアイテムを集めていくというものだった。

私達の班は宮下くんの活躍により早くゴールにたどり着くことが出来た。

その間杏菜ちゃんがきらきらとした目で宮下くんを見ていて、恋する女の子は可愛いとはよく言ったものだななんて考えていた。

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