思春期の青へ
このまま何もしたくない。

家に帰りたい。

────私の居場所が欲しい。


「なーに1人で泣いてんだよ」


上から声をかけられた。

その声を聞いて不意に泣きそうになった。


「圭・・・」


来てくれた。

わたしの異変に気づいて、校舎裏まで追いかけてきてくれたんだ。


「な、泣いてないから!勝手に同情はやめてよ」


それでもわたしな素直になれない。

だって、グループに馴染めたいだけでこの世の終わりみたいに感じている私がちっぽけで、弱く見えるから。


「何かあったのか?宿泊研修辺りから様子変じゃね?」


(気づいてくれてたんだ・・・)


圭は私と隣に腰を下ろした。

そのまま何も聞かずに黙り込む。

圭は私が話すことを待ってくれているのだ。

最近過ごした時間の中で、もっとも安心できる。

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