思春期の青へ
「綾乃ちゃんはね、ときどきハッキリしないとことか、自分の本音全然言わないとことかあるけど、一生懸命の子なんだよ!」
(かばってくれてる・・・?私の事を・・・)
「そうだよ!それなのに、勝手に利用してちょっと不満があるとグチるって何様?」
「私達が何をしようが勝手でしょ!?」
「そうだね。けど、だからってあなた達の身勝手で綾乃ちゃんを傷つけるようなマネしないで!」
2人がいつもより強い言葉を使っているのに、グループの子達は食い下がる。
「フン、そうやって熱くなってれば?そんな風に言ってる阿久津さん達だって、綾乃と一緒に居なくなったくせに」
「都合いいときだけ善人ぶるっておか・・・」
「おかしい」って言いかけた言葉が止まった。
盗み聞きしてた私に気づいたからだ。
「綾乃!?」
「ごめん、これは違うの!何かの間違いで!」
私を見た途端、突然態度を変える。
何も、なかったように。
何も、悪いことをしてないように。
(こうまでして私との関係を保ちたいの・・・?それって、男子とかにいい目で見られたいからじゃない?)
「取り繕って弁解しなくていいから。全部聞いてたよ」
「!」