思春期の青へ
敬具
美海ちゃんと杏菜ちゃんにグループを抜けた理由を話したその日の帰り道。


「けーい!!!」


私は前を歩く圭を呼び止めた。


「ん?」
「今日は一緒に帰ろ!」
「いいけど・・・なんか機嫌いいな」


嫌な予感がするとでも言いたげな目を向けてくる。

失礼だ。でも今の私は本当に機嫌がいいので見逃してあげる。


「聞いてよ圭!今日ね、久々に美海ちゃんと杏菜ちゃんと話せたの」
「お、よかったじゃん」


話すまでに色々あったがそれは伏せておく。

グループの子達────いや、元同じグループの子達が圭と話したがっていたから。

確かに私は利用されていたけれど、私だって独りにならないために無意識にあの子たちを利用してきた。

だからこれでおあいこだろう。


「ね。それで2人にグループ抜けた理由、ちゃんと話したんだよね。そしたらすっきりしたし、すれ違いが起きてたって分かったんだ。だからって2人のところに戻りはしないけどね」


戻っても美海ちゃんと杏菜ちゃんだけの共通の話題がいくつもあることに変わりはない。

その話題になる度に2人に気を使われるとか、そんなことはさせたくないのだ。

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