思春期の青へ
私のどうしようもないことへの嘆きにまゆかが便乗する。


『ってか、まだまともに喋れる子がいない!』
「あ、分かる!美海ちゃんとも何か距離がある感じだし!」
『辛いねー』


まゆかに慰めてもらいつつも、まゆかも私と同じような状況だと知り、少なからず安心した。

仲間意識とでもいうのだろう。


「明日から1泊2日、どうしようか?」
『とにかく頑張れとしか言えないなぁ。一緒にいれそうなときがあったら私も綾乃のところにいくから!』
「わぁありがとー」
『いーえー』


まゆかと一緒にいれるかもしれないというだけで心が軽くなった。

さすが親友。

その存在の大きさは計り知れない。




そして迎えた宿泊研修当日。

バスの席は班ごとにまとまって座るから村野さんと隣だ。

バスが出発したあたりで村野さんがこそっと耳打ちしてきた。


「椎名さんってさ、榎並くんと仲いいよね。もしかして付き合ってるの?」
「!?」


(な、なな何言ってんの!?村野さん!!)


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