雲のように遠いあなたは。
「あー…この問題は紬ちゃんなら分かんないだろうなーははっ」
「鬼っ!そうやって分かってたなら、最初から答え教えてよっ!」
「えー、だって教えたら意味ないじゃん!」
これも、いつもの会話。
私の名前を紬ちゃんって呼ぶ先生を、どこかに一生保存していつでも、再生できるようにしてたい…。
ってキモイわ、私っ!
先生が私の名前を呼ぶのは、初めてあった時からずっとだ。
っというか、この塾の決まりなんだろうけど、先生たちはみんな生徒のことを下の名前で読んでいる。