雲のように遠いあなたは。

西くんはその人を強く睨むと、男の人は走ってどこかへ行ってしまった。


「大丈夫?なんもされてない?」


コクっと頷く私に西くんは、もう大丈夫だからと言ってくれてるかのように頭を撫でてくれた。


なんもされてない。


本当になんもされてないんだけど、あんなの初めてだったし…。


なにより、西くんが来てくれた安心で目からは、涙がこぼれる。


「ごめん、先生じゃなくて。」



少し笑いながら言う西くん。



「先生…?どうして先生がでてくるの?」



疑問に思って、聞いてみた。


「あの時、先生って言ってたじゃん…。」
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