雲のように遠いあなたは。
じゃあ、やっぱり自己紹介だけが苦手なのかもしれない。


自分の自己紹介が終われば、あとは早い。


…と、思っていたのだけど…。


「ちょっと!西くん!寝てないで、自己紹介してよねー!」


佳奈先生の緩くて、怒っているかもよく分からない優しい叱り。


「…んー、西 公平(にし こうへい)」

まだ夢の中にいるのではないかと思うくらい、眠そうな顔をしていた彼は、自分の名前だけを言って、すぐにまた寝てしまった。
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