授かり盲愛婚。 〜ハイスペ紳士とラグジュアリ一な一夜を過ごしたら、愛の結晶を宿しました。〜
クリニックに入ると、受付で診察券を出して受付番号の紙をもらった。
「お待ちくださいね」
受付の方の言葉を聞き、ソファに座った。
「滝脇さん、こんにちわ」
「あ、桜木さん。こんにちは」
桜木さんはクリニックで知り合い、同じ妊娠七ヶ月だったこともあり仲良くなったお友達だ。
「今日もいい天気だね、今日、【桜花の会】一緒に行ける?」
「うん。大丈夫、最近は昼からはお休みもらってるの。マッサージも予約しちゃったし」
【桜花の会】とは、古民家カフェで間借りをしてこのクリニックの助産師さんが定期的に開いているカフェだ。
これからお母さんになる女性や子育て中のママが参加し、親同士・子ども同士で友達がつくれたり、育児の情報交換をしたり、助産師さんや先輩ママに育児の悩みの相談ができる……なんとも心強い交流場所だ。
コミュニティの強い田舎ならではなのだろうか。
それに、予約制だけど照明を落とした部屋にロウソクの灯りとお香のかおりでリラックスできる空間でマッサージを受けられる。
「私も、予約しちゃった〜!一緒だね」
「気持ちいいもんね、マッサージ」
あれは一度やってもらったら、もう一度やってもらいたくなるやつだ。めちゃくちゃ気持ちいいんだよねぇ……