授かり盲愛婚。 〜ハイスペ紳士とラグジュアリ一な一夜を過ごしたら、愛の結晶を宿しました。〜



 こんなに詳しく話したのは初めて。というか……人に自分の気持ちを伝えたのは久しぶり。

 だって、あれから絃寧にも星萊さんにも連絡できていないから。
 倉橋家には詳しくは話していなくて言わなきゃと思っていても言えなかったこと。

 思い出してメンタルが下がっているのか、涙が溢れた。


「辛いこと思い出させてごめんね、滝脇さん。ここにいるうちは私らができる限りは守るからね、倉橋さん家もそう思ってるはずだよ」

「はい……ありがとうございます」

「大丈夫、大丈夫」


 みんなに抱きしめられてすこしだけ元気になった私は、愛結さんに連絡をした。

 愛結さんに迎えに来てもらって帰宅すると玄関には黒い見覚えのある靴があった。

 まさか今日の今日に来るなんて思わず驚いたが、さっき聞いていて少し覚悟が出来たし……良かったと思う。



「……ふみ、なちゃん……やっと見つけた」 


 それは、会いたい気持ちを抑え込んでいた相手――侑埜さんだった。

  


< 111 / 209 >

この作品をシェア

pagetop