授かり盲愛婚。 〜ハイスペ紳士とラグジュアリ一な一夜を過ごしたら、愛の結晶を宿しました。〜



「まず、私はベリが丘にすんでいてもう没落してしまいましたが明治時代にあった華族制度の新華族、旧滝脇家の末裔の孫です。没落してからは、家族とは離れてベリが丘で守衛として働いていました。働いていた時に、学生時代にお世話になった先輩……唐橋さんに会いました。唐橋さんのことは当時から憧れていて、あの頃は気づかなかったけど好きだったのかも知れません。だから、会えて出掛けられて嬉しかったんです」


 釣り合わないと言っても、嬉しかった。

 あの頃よりも雲の上の人だったけれど連絡先を聞けて出かけることが出来て、何度か出かけて私のような奴は釣り合わないと断わろうとしたけど何度も彼は関係ないと言ってくれて、それで……


「……唐橋さんは何度も好きだって釣り合いなんて関係ないって妊娠してからも言ってくれました。だけど――」


 ここに来るまでを話し終わると、そこまで何も言わずに頷いていた彩愛さんは私を抱きしめてくれた。



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