授かり盲愛婚。 〜ハイスペ紳士とラグジュアリ一な一夜を過ごしたら、愛の結晶を宿しました。〜



 パン屋から公園までは徒歩五分で到着する。


「あっ、史菜ちゃんじゃないか! 体調は大丈夫かい?」

「こんにちは、佐藤さん。大丈夫ですよ、いつもありがとうございます」

「また、パン屋行くからなー」


 公園までに数人に会って、挨拶をしたり言葉を交わしているとここに来てまだ三ヶ月になってないのに近所の人に本当に優しくしてもらってありがたいなぁと思う。

 侑埜さんとは無言だったけれど、前と変わらずに歩幅を合わせてくれていて変わってないんだなぁと実感する。

 公園に入ると、マルシェの場まで近づいているのか騒がしくなっていくのが分かる。


「ゆ、侑埜さん。もうすぐ着きますよ」

「自然が豊かな場所なんだね」

「はいっ……雰囲気がいいんです。マルシェもとても楽しいですよ」


 マルシェに近づくと「あ、滝脇さんー! 来てくれたんだ、ありがとねぇ」と桜花の会の鏑木さんが声をかけてくれた。


「飲み物飲む? あ、そちらの彼も何か……」


 鏑木さんは何かを察したのか侑埜さんにも声をかけてくれた。

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