授かり盲愛婚。 〜ハイスペ紳士とラグジュアリ一な一夜を過ごしたら、愛の結晶を宿しました。〜
「こんな思いをするくらいなら、ダメになるくらいなら滝脇の家なんてない方がマシだと思いました。縁談は祖父に内緒で断ってそれからすぐに没落です……だから、私が終わらせたんですよ」
「……何も知らなかった」
「ですよね。だからこんな悪女と立派な社長さんとでは釣り合わないんですよ」
だけど、夢を見てしまった。
釣り合いなんて関係ないと言ってくれた侑埜さんに甘えてしまった。
ずっとずっと、私は……
「私、ずっと侑埜さんのこと好きだったんです。学生の頃から、キラキラ輝いている貴方に憧れて恋をしてました。家ではずっと気を張っていたけど侑埜さんを見るたびにときめいて癒されてて……初恋です、きっと」
「……っ……」
「侑埜さんに好きだって言われて嬉しくて、あんなに手の届かない場所にいたのに……夢のようで」
「……史菜ちゃん」
「私、すごく好きです。本当は侑埜さんのことが好きなんです。自分から出て行って都合がいい。自分勝手だって分かってます……でも――」
侑埜さんは、言葉を遮り「自分勝手じゃないよ、史菜ちゃんは」と私を見て呟いた。