授かり盲愛婚。 〜ハイスペ紳士とラグジュアリ一な一夜を過ごしたら、愛の結晶を宿しました。〜
「――お風呂お先です」
「はーい……次、唐橋さんたちに入るように言ってー」
お風呂から出て彩愛さんに言われた私は彼らがいる部屋に向かった。彼らと言っているのは侑埜さんと畔さんのことだ。
畔さんは、ホテル探すって言っていたのだけど庵さんがホテル探すより家に泊まりなさいと言ってくれたらしく仲良く二人で同じ部屋だ。
彼らの部屋のドアをノックすると「はい」と返事があったためドアを開けて部屋を覗く。
「あ、奥様……どうしたの?」
「あ、畔さん。あの、お風呂、お二人に先に入るようにって彩愛さんが」
「えっ、本当に? ありがとう。侑にも言っておくよ。……あ、そうだ。明日は、昼頃には出る予定だから挨拶したい場所朝教えてね」
「はい。ありがとうございます……畔さん。じゃあ、おやすみなさい」
私はそれだけ言うとドアを閉めて部屋に戻って、荷物の整理をした。
物はあんまりなく、キャリーケースにそのまま詰めただけだけど……この部屋ともお別れで明日の夜はここにはいないんだなと思ったら寂しい気持ちで一杯になった。