授かり盲愛婚。 〜ハイスペ紳士とラグジュアリ一な一夜を過ごしたら、愛の結晶を宿しました。〜
第14話
ただいま
車に乗り、途中に休憩も挟みながらゆっくりと四時間半――緑の景色から灰色に変わっていき東京に戻ってきた。
「建物いっぱい……高い」
自然の木なんてほとんどない東京は、ビルが立ち並ぶ。
満天の星空はなく、ネオンが光る街並み。
「……本当に帰ってきたんだなぁ」
そして、私は、ベリが丘に懐かしい気持ちになっていればノースエリアに三ヶ月ぶりに戻って来た。
「あ、あの、侑埜さん。前住んでいた、タワマンじゃないんですか?」
「うん。実はね、史菜ちゃんが出て行く前に新居が出来上がっていたんだよ。だから、新居に向かうよ」
え、新居!?初耳……
「知りませんでした」
「それは、言わなかったからね。サプライズのつもりだったし」
「す、すみません」
新居を用意してくれていたなんて知らなかった。悪阻とかが酷かったとはいえ、気づかなかったとか本当に間抜けじゃない?