授かり盲愛婚。 〜ハイスペ紳士とラグジュアリ一な一夜を過ごしたら、愛の結晶を宿しました。〜
「中に入ろう、史菜ちゃん」
侑埜さんに手を引かれ歩き、玄関のドアを開ければまたまた懐かしい顔が見えた。
「えっ……あなたたちっ」
「史菜お嬢様……もう奥様ですね。ご無沙汰しております」
「……っ……えぇ」
そこにいたのは、中年の女性と同世代くらいの女性、白髪混じりの男性がいた。
「斗葵に天梨、赤堀も……久しぶりね」
彼女らは、滝脇家に代々仕えてくれていた家の者たちだ。
特に赤堀は、仕事をしない祖父の代わりに社長業務を副社長と共にしてくれた執事兼秘書だった。
そして、斗葵は私が幼い頃からお世話をしてくれた母のようで姉のような存在だった。
天梨は斗葵の娘で、幼い頃は遊び相手として時には友人として一緒にいた子だ。