授かり盲愛婚。 〜ハイスペ紳士とラグジュアリ一な一夜を過ごしたら、愛の結晶を宿しました。〜
「立ち話はここまでにして中に入りましょう」
「あぁ。そうだな、史菜ちゃんも疲れただろうから」
玄関から中に入ると、優美なアールを描くサーキュラー階段が目に映った。
美しい階段は祖父のお気に入りだったのを思い出す。よく、この階段で遊んだなぁと思い出す。
玄関扉を開けると、目が覚めるようなこの広がっていて大理石の床が燦然と光り輝いていた。
そして天井にはシャンデリア、階段は多角形の踊り場を設けられていて両側へと分かれている。
吹き抜けを挟む回廊のようなつくりで、地上二階地下一階の5LDKなのは変わらない。
綺麗な状態を見る限り、不動産屋の方がちゃんと掃除されて管理してくださったんだなと思ってとても有り難く思いながら玄関を通った。
中に入り、木の風合いが心落ち着くなごやかな空間のダイニングへと向かう。
「奥様、どうぞお座りください」
「ありがとう、赤堀」
家具は一新されていたがとてもセンスがよく、座るように言われたソファも高級感のある茶色の革製で作られている。それに合わせたテーブルも素敵だった。
「ただいまお茶の準備をしておりますのでお待ちください」
「ありがとう」
すると、キッチンのある方から一人の女性がやってきた。それは、ずっと連絡をしていなかった絃寧だった。