授かり盲愛婚。 〜ハイスペ紳士とラグジュアリ一な一夜を過ごしたら、愛の結晶を宿しました。〜
「奥様はご存知かもしれませんが、一応紹介をいたしますね。家政婦の藤花絃寧さんです」
「藤花絃寧です。これからよろしくお願いします」
「な、なんで絃寧が……というかなんで他人行儀?」
「当たり前でしょ? 私にとったら、史菜は奥様なんだから。それに、史菜だってずっと連絡くれなかったじゃないの。どれだけ心配したと思ってるの!」
「ごめんなさい、……悪いとは思ってるよ。連絡しなくてごめん」
連絡先を削除したというか丸々スマホ変えていたし、彼女に連絡したら侑埜さんに伝わってしまいそうだったからという理由もある。
「まぁ、無事ならよかったよ。ここにいるのは、侑埜さんに誘われたんだよね。旦那と一緒に」
「え?」
「私の旦那様も、ここに呼ばれてね。断る理由ないじゃない」
旦那様ってオーベルジュの料理人で副料理長だって言ってなかったっけ?辞めてここに来たの?
そう思って問いかけると「給料がいいからよ」とコソッと答えたのでそういうところは結婚前から変わってないんだなぁと思ったらとても嬉しかった。