授かり盲愛婚。 〜ハイスペ紳士とラグジュアリ一な一夜を過ごしたら、愛の結晶を宿しました。〜



「旦那様、準備完了いたしました」

「ありがとう。じゃあ、俺たちが留守の間頼んだよ」

「はい、かしこまりました。気をつけていってらっしゃいませ」


 絃寧や天梨、斗葵に赤堀に見送られて侑埜くんに支えてもらいながら私は車に乗り込んだ。

 今日は、唐橋家の運転手さんにホテルまで送迎してもらうから私のとなりに侑埜くんが座る。



「……じゃあ、出てくれ」
「はい。では出発いたします」


 彼の一声で運転手さんはハンドルを持ち、出発させた。

 見送られながら、屋敷の門を出てノースエリアを走行して櫻坂の前の門を通った。

 前はあそこで働いていたのがすごく前のように思う。あそこで侑埜くんと会ったんだなと思い出して少し笑ってしまった。

 だって、出会えたのは奇跡だと思っていたのに彼が探し出して会いに来たというだけだと言うんだもんな。思い出しただけでとても面白い。笑えてしまう。



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