授かり盲愛婚。 〜ハイスペ紳士とラグジュアリ一な一夜を過ごしたら、愛の結晶を宿しました。〜



「お義母さまもお義父さまも暑かったでしょう? 座ってください、お茶も淹れましたし」

「あら、ありがとう。侑埜さん」



 侑埜くんは両親をソファに座るように言うと座ったのを確認してテーブルにコースターの上にグラスを置いた。


「お義母さまとお義父さまにはほうじ茶をお淹れいたしました。ほうじ茶は、熱中症予防に最適なんですよ。史菜には、いつものたんぽぽティーだよ。どうぞ」

「ありがとう、侑埜くん」

「うん。俺は仕事に戻るけど、何かあれば呼んで。じゃあ、また来ますね」


 侑埜くんが部屋を去って行くと「本当にできた人ねぇ」とお母さんが言った。


「あんな風にお茶淹れともらったこと私、ないわよ。お父さんにはないし、滝脇だった時も全くね……本当羨ましいわ。いつもってことは毎日してくれてるの?」

「うん。侑埜くんが忙しい時以外は……夫として当然だよって言ってやってくれてとても優しいよ」

「あら。惚気られちゃった……お父さんにも見習わせたいわ」


 お母さんはグラスにストローをさして一口飲んだ。お父さんも一口飲むと「史菜」と名前を呼んだ。


「ん? どうしたの? 改まって……」

「史菜に謝りたかった。今日はちゃんと話したくて」

「えっ」

「……お祖父様のことだ。当時、辛い思いをさせてしまった。倒産前も、あの人が勝手に持って来た縁談も……俺がちゃんと制御できたら良かったんだ。なのに、娘の君に断らせて」


 え……?なんで、私が断ったことを知ってるの!?



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