授かり盲愛婚。 〜ハイスペ紳士とラグジュアリ一な一夜を過ごしたら、愛の結晶を宿しました。〜



「そんな時に侑埜くんが連絡くれて、会いに来てくれた」

「そうなんだ……それって」

「うん。証人欄に書いて欲しいって来たの。最初は私もお父さんも賛成したのよ? だけど、史菜を身篭らせて挙句にいなくなったって聞いてね……お父さんは大激怒よ。あんな綺麗な顔に殴っちゃって、ヒヤヒヤしたんだけど。その後、彼の史菜への愛を語られて圧倒されて私たちもなんか笑っちゃってね……サインしちゃったの」


 侑埜くん、反対はされたけどって軽く言っていたのに殴られてだなんて!

 聞いてないし、というか笑っちゃうくらい何の話をしたのよ……もう。



「史菜が幸せならそれでいいって思ってサインしたんだけど侑埜さんは私たちを話し合うべきだと会わせたかったようでね。今回招待されたってわけよ」

「侑埜くんらしいね……なんだか、すごい。そんな殴られたこと知らなかったよ」


 お父さんは、今になって思い出したらしく少し落ち着かないようでそっぽを向いていた。

 話が終わったのを見計らってか、スタッフの人がお茶菓子を持って来てくれてそれを三人で食べた。
 何年振りかの和やかな親子三人での空間にとてもうれしくて楽しかった。

 その夜、侑埜くんにお礼を伝えるといつもと同じく「夫として当然のことだよ」と言いながら照れていて可愛らしかった。



< 173 / 209 >

この作品をシェア

pagetop