授かり盲愛婚。 〜ハイスペ紳士とラグジュアリ一な一夜を過ごしたら、愛の結晶を宿しました。〜



「あ……椿谷さん、お疲れ様です」


 会うだけで動悸がしてしまうなんて重症かもしれない……嫌味とか言われるとは限らないのに。


「えぇ、お疲れ様」


 彼女はそれだけ言ってトイレに入っていった。トイレを見て胸を撫で下ろすと、私は業務へと戻った。

 仕事が終わり、守衛室を出てタイムカードを押して更衣室に向かって歩いているとまた椿谷さんに会ってしまう。


「滝脇さん、終わり?」

「はい。日勤なので」

「そう。じゃあ、巡回代わってくれない? 私、備品チェックするの」


 巡回って、三十分はかかる業務でもうタイムカードを押したばかりだ。


「タイムカード押してしまって」

「私から上司に伝えるから大丈夫」


 大丈夫って……生理でお腹痛いし、段々頭痛の症状出て来て辛いのに。


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