授かり盲愛婚。 〜ハイスペ紳士とラグジュアリ一な一夜を過ごしたら、愛の結晶を宿しました。〜
「――夜、ですか?」
《うん、どうかな。【柳緑花紅】っていう京懐石のお店なんだけど……どうかな?》
ある日の夕方、私は仕事が終わって唐橋さんと電話をしていた。
……って!柳緑花紅って、あのツインタワーの最高層にあるレストランの一つじゃなかった!?
「あの……私が行ってもよろしいんでしょうか?」
《もちろん。俺から誘ったんだから》
「そ、そうですよね。でも、私レストランに相応しい服がないんですけど……」
ドレスコードがあるって聞いたことあるし、当たり前だがそんなレストランに合う服も持ち合わせていない。
《ドレスコードのことかな? 安心して、俺が用意するから》
「……え?」
ほとんど丸め込まれるように、約束もしてしまった私は休日デートに行くことが決まった。