授かり盲愛婚。 〜ハイスペ紳士とラグジュアリ一な一夜を過ごしたら、愛の結晶を宿しました。〜



 だけど落ち着かなくて、ため息ばかり吐いてしまう。

 ふと時計を見るとまだ一分も経っていなくて、まだまだだなぁと落ち着かなくて立ち上がったり座ったりしてしまう。

 この部屋は八階なので、景色がいい。景色を見たら落ち着くかもしれないと一度トイレから出てカーテンを開けた。

 綺麗だけど、綺麗だけど……やっぱり落ち着かない。

 だからまたトイレに戻り、テストスティックを遠目でみると『終了』窓に線が入っているのか見えて近づいた。

 するとちゃんと検査は終了されていてしっかりと見て、思考と動きも停止した。



「……え、本当に?」


 そんな言葉しか、出ない。

 だって『終了』窓にはさっき見えた通り赤い線があり、その隣の『判定』窓を見ると赤ではないけどピンクの線がくっきりと出ていた。

 それは、【陽性】だということを意味している。

 念のために検査をしただけで、本当に陽性反応が出るなんて思ってなかったから覚悟も何も出来てない。

 だから、私、どうしたらいいのか……侑埜さんにどう伝えたらいいんだろう。

 侑埜さんは慣れていたみたいだし、私は今回初めてだったから私が何も分かってなかったから妊娠しちゃったのかな。

 病院とか行かないと……とは思ったけど、病院に行ってちゃんと検査して妊娠とわかってしまうのが怖くてこの時は予約したくなかった。



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