授かり盲愛婚。 〜ハイスペ紳士とラグジュアリ一な一夜を過ごしたら、愛の結晶を宿しました。〜
***
あれから数日。
私はまだ勇気も覚悟も持てなくて病院へも行けずにいた。
だけど、体調は悪化している気がする。気持ち悪いし、あまりお腹いっぱい食べないからか体力も落ちた気がする。
それでも私はいつも通り仕事をして、今日は午後から巡回をしたので警備報告書を書いた。
「椿谷さん、報告書よろしくお願いします」
「……うん、ありがとう。確かに」
「では、受付業務に行ってまいります」
私はそう言って守衛室を出た。
守衛室を出て受付へと歩き出す。歩き出したはいいものの、貧血持ちだからかさっきまではなかったふわふわした感覚が抜けないし、動悸もしてきていた。
これじゃあ、受付の子に迷惑をかけちゃうと思いノースエリアの受付場所へとなるべく急いで向かった。
今日は、入出管理の担当で内容的には座ったままの警備のような仕事なので助かった。
「――滝脇さん、顔真っ青ですけど、体調が悪いんですか?」
「え、あ、少し……でも大丈夫です」
座ってるし、立って歩き回る巡回よりはずっといい。
「そうですか? なら、いいんですけど……悪かったら言ってくださいね」
「ありがとうございます、ミナコさん」