授かり盲愛婚。 〜ハイスペ紳士とラグジュアリ一な一夜を過ごしたら、愛の結晶を宿しました。〜
「伝えるのが、怖くて」
「……怖い? 社長さんは、そんな無責任な人なの?」
「いえ、無責任な人ではないですっ」
「なら、伝えなきゃ。お互い、大人で同意の上で行為をした。行為をするってことは、そういうことよ。あなただけの問題じゃない。二人の問題なんだから」
私は、そう言われてハッとした。そうだよね、お腹にいる子は私だけの子じゃなくて侑埜さんの子でもある。
だから、知る権利はあるし親になるかならないかは彼も決める権利があるのだと思い至る。
「……そうですね、話し合います」
「うん。それでなんか辛いこととかあれば話聞くし、体調悪いなら休みなね」
「ありがとうございます」
椿谷さんはいつもとは全く違い、優しかった。助けてくれたのが椿谷さんでよかったと心から思えた。
それから彼女の旦那様に寮まで送ってもらいこの日はベッドに吸い込まれるように眠ってしまった。