授かり盲愛婚。 〜ハイスペ紳士とラグジュアリ一な一夜を過ごしたら、愛の結晶を宿しました。〜



  ***



「黒豆茶、好きなの?」

「いや。初めて、です……勧められたので」


 黒豆茶は、星萊さんがおすすめだと言っていたしきっと大丈夫だと思い頼んだけど……初めてだし、大丈夫かな。


「そうか。冷たいので本当に良かった? 今日寒いし」

「はい、大丈夫です」


 冷たいのじゃないと吐き気が再来しそうだもん。ここで体調が悪くなるとちゃんと話ができなくなる。それに、話次第で妊娠のこと言わない選択もあるかもしれないから。

 飲み物が運ばれてきて、私は冷たい黒豆茶を一口ストローで吸い飲む。


「……ぁ、美味しい」


 風味が香ばしいし、癖がない。優しい味わいだった。そうだ、今日は別にお茶だけしに来たわけじゃないと思い出して私から切り出した。

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