授かり盲愛婚。 〜ハイスペ紳士とラグジュアリ一な一夜を過ごしたら、愛の結晶を宿しました。〜
「俺と、結婚してください」
とても嬉しくて頷こうと思ったけど、彼は社長で会社のトップに立っている人間で一方で私は一般庶民だ。身分が釣り合わない。
「とても、嬉しいです。妊娠を告げておいてわがままだと思うのですけど……立場の違いは弁えてます。なので、お断りします」
「立場の違いなんて、そんなの関係ない。俺は学生時代から今もずっと史菜ちゃんが好きなんだ。史菜ちゃんのこともお腹の子も一生大切にする」
「……っ……」
そう言われて俯いてしまった。
「……俺に、パパになる権利をくれないか?」
パパに、なる権利……そうだよね。
その言葉に私は顔をあげる。
「史菜ちゃん……結婚、してくださいますか?」
「はい。よろしく、お願いします……」
私は彼の目を見ると、微笑む。
「侑埜さん、私、侑埜さんと結婚したいです」
そう告げると私を包み込むように抱きしめて「ありがとう」と私の耳元で囁く。
「一生、幸せにするよ」
「私も幸せにします……侑埜さんのこと」
抱きしめられて私は彼に身を委ねる。数分前まで不安でいっぱいだったのに、あんなに悩んでいた時間がウソみたいに……今は一番幸せな空気に私は包まれた。