授かり盲愛婚。 〜ハイスペ紳士とラグジュアリ一な一夜を過ごしたら、愛の結晶を宿しました。〜
第3章

第9話



幸せの音




 侑埜さんのプロポーズを受けて私は、ノースエリア内にあるタワーマンションにいた。


「これで最後だね、結構早く終わったね」


 このマンションは、侑埜さんが住んでいる部屋で新居の準備が整うまでの仮の住居だ。

 侑埜さんがまだ安定期ではない私が働くのは心配だと言われて守衛の仕事を先週退職をした。それと同時に退寮をして、ここに今日引っ越してきたばかりだった。


「つわりは大丈夫?」

「はい、なんとか……」


 心配させたくなくてそう答えたが、結構しんどい。できるなら横になりたい。

 だけど引越し初日に迷惑かけるわけにはいかないから、彼には笑って見せる。


「史菜ちゃん、本当のこと言って欲しい」

「あ……少しだけ、気持ち悪くてしんどくて。だけど、侑埜さんと一緒にいられて嬉しくてそっちの方が気持ちが高まってて」 



 体調は安定して良くなってはないけど、ずっと言うか言わないか悩んで不安になっていた頃よりもずっといい。



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