つまらない日々に花が咲いた
12月に入り、暖房があまり効いていない『いつもの場所』は寒かった。

それでも、コートやブランケットで寒さをしのぎながら過ごすこともあった。

ある日、
「これ、使う?」
加納先輩が小型のヒーターを持って来ていた。
「あ、先輩ナイスアイデアですね。
私ももってこようかな?」
そう言うと、
「いや、やるよ。」
そう言って私の足元に置いてくれた。
「いや、先輩が寒いじゃないですか。」
私が先輩の側に戻そうとすると
「いいから。使えって。」
少し強い口調で言われた。

「じゃあ、二人で当たりましょう。」
そう言って私は先輩の近くにヒーターを持って行き、隣に座った。

「これなら、一緒に温かいですよね。先輩、神です!
持って来てくださってありがとうございます。」
私は笑顔で先輩に言った。

12月の間、被ったときは二人で並んで座りヒーターに当たりながら、
他愛ない会話をしたり、それぞれやりたいことをやっていた。
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