つまらない日々に花が咲いた

1.私だけの場所

私は田所美緒(たどころみお)。15歳。県立桜台高等学校の1年。

今、2限目の音楽の授業中。

だけど、私は、音楽室には行かなかった。

授業がつまらなかったり、かったるかったりすると、
一人で校舎の東側にある非常階段の最上部でサボることが度々あるのだ。

私には将来なりたい職業はある。
それは看護師だ。
そのために高校へ入学もした。
だから高校へ入学してからしばらくは真面目に授業を受けていた。

しかし、徐々に授業はつまらなくなってきた。
ただ将来のために高校に入ったのなら、
高校へはとりあえず行き、成績優秀なら特に問題ないと思い始めた。

私の成績は、前期の中間テストと期末テスト共に学年でトップ3には入っていた。
成績表も10段階でほとんどが10。8をとったのは体育。9をとったのは古文。
高校では中学と違って、テストの点数が最重要。
そして提出物さえしっかり出していれば、授業態度は問題にならない。

ただただ、中学の延長のような気になった途端、
授業を受ける気持ちがうせてしまっていたのだ。

だから、夏休み前にこの場所を見つけ、時々サボってるのだ。
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