つまらない日々に花が咲いた
「先輩のやりたいことって何なんですか?」
私は単刀直入に聞いた。
「あ、でも言いたくなかったらいいですよ。」
私はあとから取ってつけたように誤魔化した。

人には言いたくないこともあるだろうと思い直した。

「ああ、実はIT・デジタルコンテンツ系の専門学校に行きたいんだよね。
でも、先生はさ、大学にとりあえず行けって。
医学部や法学部も行けるのに、なんでそっちなんだってさ。
いやんなるよな。」
加納先輩はため息をつきながら話してくれた。

「ええ、いいじゃないですか!
私は先輩にはそっちのほうがいいと思いますよ。」
と私は自分が思っていることを素直に言った。

「あ、ありがとう。」
加納先輩はびっくりしたような表情で言った。
「はい、先生に負けないでください。」
そう言って、思わず加納先輩の手を握ってしまった。

「あっ、ごめんさない。」
手を放そうとしたけど、加納先輩がギュッと握り返してきた。
「え?先輩。」
加納先輩の顔が近づいてきた。

加納先輩の唇が私の唇に触れた。
私は頭が真っ白になり動けないでいた。

加納先輩の唇が離れた。
「ご、ごめん。そんなつもりじゃ・・・」
そう言って、加納先輩は急いで去ってしまった。
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