つまらない日々に花が咲いた
そんな懐かしい記憶をよみがえらせていると、
「あっ」
誰かの声がした。
「なんだ、誰かいるし。」
と言いながら階段を昇ってくる人がいた。

それは2年の女子受け学校1位のイケメンの加納柊斗(かのうしゅうと)先輩だった。

私は慌てて
「あ、すいません。
ここ使うんですよね。
すぐどきますね。」
そう言って、スマホやひざ掛けを持った。

「あ、いや。
君がもし良ければ、俺も使わせてもらえればそれでいいんだけど。」
と加納先輩は言いながら上がってきた。

『私の秘密の場所だったのにな。
でも、たまたまだろうし、他に行くところもないし、
まあいっか。』
なんて思った。

「あっ、じゃあ遠慮なく居させてもらってもいいですか?」
と言うと、加納先輩は
「それはこっちのセリフ。
邪魔してごめんね。でも、他にいいところ見つからないし。」
そう言って、非常階段の最上部まで上がってきた。
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