薔薇色狂想曲
クルーズ船乗船の待ち合わせ先に着くと、碧はさっそくチヤホヤされていた。

「碧、可愛いー!

どう?仕事順調?」

ウエディングプランナーとして、後輩も指導する立場になっている華恋(かれん)ちゃん。

久しぶりの碧との再会を喜んでいた。

「碧、久しぶりだねー!

浴衣可愛いじゃん!

私も着たかったけど、麗眞に止められて、あえなく断念したの」

残念そうに言うのは、椎菜ちゃんだ。

そりゃそうだ。

椎菜ちゃんも、お腹に麗眞くんとの子供を身籠っているのだ。

浴衣は避けたほうが良いだろう。

ギンガムチェックのワンピースに、と薄いピンクのカーディガン、白いサンダルが良く似合っている。

「ホラ、そろそろ時間だ。

行くぞ。

あ、椎菜と深月ちゃんは後ろな?

ゆっくりでいいから」

クルーズ船のテーブルの上には、豪華な料理がところ狭しと並べられていた。

「皆さま、ご遠慮なくお召し上がりくださいませ。

花火の打ち上げは19:00から20:00となっております。

椎菜さまと深月さまは、ご体調が悪くなられた際にはお申し付け下さい。

別室にてお休みいただけますので」

麗眞の執事の相沢(あいざわ)さんが説明してくれる。

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